もう、どうしようもない男の物語。
モノを盗んでは、それを売りさばく組織に買い取ってもらい、その日暮らしをしている。
ご多分に漏れず、入れ子の構造で、自分も手下の子供を使って、「仕事」をしている。
男には恋人が居て、男の子が産まれた。
市役所で認知の手続きもして、恋人は家族での新しい暮らしに夢ふくらます。
ところが魔が差した男は、なんと赤ん坊までも、売り飛ばしてしまう。
口先だけで謝るが、恋人は聞き入れない。#当たり前だよね。
母親になった恋人の意志の強さに、赤ん坊を買い戻すが、違約金の取り立てに追われる身に。
せっぱ詰まって手下の男の子とひったくりを企てるが、男の子は捕まってしまう。
最後の最後に良心が芽吹き、自首して男の子を解放してあげる。
刑務所で、恋人と面会して、心を通わすシーンで映画は終わるのですが、
その瞬間にも、「裏の組織」は存在し続けているわけですし、「仕事」も続けられています。
更生を誓い、社会に出て行く「元囚人」を待ち受けるもの。
意志だけではどうにもならない現実を思いました。